敷地の区切りやセキュリティ面にも有用な門扉ですが、かつての日本では寺社や城、屋敷などを中心に、固有のデザインの門扉が広く使用されていました。ここでは日本の門扉の歴史と、かつての時代の役割や門扉の種類について詳しく紹介します。
伝統的な日本建築では、寺社の門構えとして「冠木門(かぶきもん)」や「四脚門(しきゃくもん)」などさまざまなスタイルの門扉が建てられてきました。
外部からの侵入を予防する役割のほかに寺社の威厳や伝統を示すものでもあり、門でありながら屋根や室内空間が設けられているものも少なくありませんでした。屋根つきの門扉は武家屋敷や城の入り口部分にも用いられました。セキュリティを堅牢にするために、またそれぞれの家の格式を示すためにも、立派な門扉は欠かせないものでした。
一方、庶民の住宅の門扉は竹垣による比較的簡素なものから、木を使った格子状の門戸・門扉までが発達し、日本家屋の雰囲気に合わせてさまざまなデザインが登場しました。初期の日本建築では竹を並べただけの簡素なものでしたが、時代の変化とともにデザインや色にもこだわった門扉となり、木造建築にマッチするデザインになっています。
門扉は、まだ人々が集落に住んでいた頃にはその集落全体を囲うものであり、外と集落を隔てる存在として重要な役割を持っていましたしかし集落の規模が大きくなり、身分ができ木のみを立てて造った門のことです。あがるとそれぞれの家にも門扉が設置されるようになります。
門扉を建てられる家は高い身分や富を持つものに限られ、防犯性よりも「権力」を象徴するものとして、周囲の家屋と立場を隔てる役割がありました。現代でも高級な住宅に立派な門扉が設えてあるように、その家々の威光を象徴するものが門扉の役割でした。
また、周囲から攻撃や侵入に遭いやすい状況下では、やむを得ず重厚な門扉を設えなければならない事情もありました。門番として防犯にあたる使用人のための部屋や詰め所を置く必要があったため、門の中に部屋を設けるなどして、重厚なデザインになっていったと考えられています。
二重門(にじゅうもん)は、2階建てかつ1階にも屋根がついている豪華な門構えです。格式がもっとも高い門とされ、東福寺や東大寺など名だたる寺社の門に使用されています。
楼門(ろうもん)も寺社ならではの門で、回廊のついた2階建てであり1階に仁王像が設置されるなど、重厚な建築様式が魅力的です。二重門のように2階に行くことはできません。
四脚門は「しきゃくもん」とも「よつあしもん」とも呼ばれています。控え柱と呼ばれる短い柱で2つの大きな柱を支えている構造で、重厚な屋根が特徴です。
八脚門は控え柱がさらに4本追加された構造で、「はっきゃくもん」とも「やつあしもん」などと呼ばれます。仁王像が左右に置かれ、寺社ならではの雰囲気を醸し出します。
薬医門(やくいもん)は、武家屋敷・城郭・邸宅・寺社などさまざまな場所に設置された屋根付きの門です。
棟門(むねもん)は、切妻屋根に扉がついた一般的な門です。薬医門と同じく邸宅や寺社などに幅広く採用され、塀と連結して使用されました。
冠木門(かぶきもん)は、屋根を持たずに木のみを立てて造った門のことです。
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